お墓のことは、どんなことでもトラブルが、起きやすいのではないでしょうか。
お墓は、親族全体が関係してくること、だからかもしれません。
親族同士のトラブルは、一度こじれると解決することが、難しくなってしまうことがほとんどです。
だからこそ、墓じまいする時は、親族の同意をもらう必要があります。
親族の同意をもらうことで、親族間のトラブルを防ぐことができるのです。
親族の同意をもらわずに、墓じまいをした後で、思いもよらないところから、問題が出てくることもあるからです。
今回は、墓じまいが必要な理由や、親族の同意の大切さ、墓じまいした後の供養方法についてまとめました。
墓じまいを円満に進めるために、ぜひ参考にしてください。
墓じまいに親族の同意は必要?どこまで連絡する?
お墓について、法律上では、墓主のみにお墓をどうするか決める権利があります。
そのため、法律上では親族の同意をもらわなくても、墓じまいはできてしまいます。
一方で、墓主以外の人物が、お墓の墓じまいをすることはできません。
お墓に限りませんが、親族だからといってみんな同じ考えとは限りません。
親族同士で、意見が分かれることもあるでしょう。
あとから、トラブルになることを防ぐために、必ず親族の同意はもらいましょう。
親族同士で、関係がこじれてしまうと、修復するのは難しくなってしまうことが多いので、慎重に進めることが大事ですね。
墓じまいは必要なの?
墓じまいは、お墓を別の場所で供養するために、改葬することです。
簡単に言えば、お墓のお引越しですね。
引っ越したお墓の場所は、何もない更地になることから、「墓じまい」と呼ばれています。
お墓を、守っていくことは大変です。
お墓を守る人が高齢になれば、お墓のお掃除や管理が難しくなりますよね。
また、お墓を守っていく跡継ぎがいないという理由で、お墓の管理ができなくなることもあるでしょう。
お墓を守る人のいない無縁墓は、やがて荒れ果ててしまいます。
霊園などでは、管理費などが支払われず、他に墓主(お墓の名義人)になる人もいなければ、無縁墓とみなされてしまいます。
無縁墓となってしまったお墓は、最終的に霊園から強制撤去されることになるのです。
強制撤去されると、遺骨は合祀墓で供養されることになり、遺骨を取り出すことはできなくなります。
無縁墓になるのはさみしいな
墓じまいをすることで、ご先祖様を無縁墓にすることなく、供養していくことができますね。
墓じまいは、お墓を守っている墓主のライフスタイルに合わせて、お墓の場所や供養方法を替えることができます。
墓じまいしたからお墓参りに行きやすくなったよ
墓じまいは、ご先祖様をこの先の未来も供養していくために、必要なことだといえるでしょう。
同意をもらう親族と連絡をする人の範囲は?
墓じまいに、親族の同意はもらった方がいいですね。
ですが、必ず同意をもらわなければいけない人は、決まっていません。
じゃあ、誰に墓じまいの事話したらいいかしら?
墓じまいのことは、まず連絡先の分かる親族へ連絡してください。
そして、親族の同意をもらいましょう。
あとは、お墓参りに来てくれている人には、墓じまいを伝えたほうがいいですね。
親族には、できれば会って話を聞いてもらった方がいいでしょう。
会うのが難しければ、電話でもかまいませんよ。
そうではないと、お墓が今の状態ではなくなるのをよく思わない親族と、トラブルになるケースが多いのも事実です。
墓じまいで親族の同意をもらうときはトラブルに注意!
墓じまいを、円満に進めるには親族の同意をもらうことが何より一番大事です。
ですが、この親族の同意をもらうために、トラブルになることがあります。
墓じまいをしようと考え始めたら、親族の同意をもらうために、親族と話し合いをした方がいいですね。
墓じまいなんてとんでもない
親族にとっては、今までお墓参りしていたお墓がなくなってしまうわけですから、墓じまいと聞いて驚くのも当然です。
墓じまいの考え方は、最近増えてきたことなので、まだまだ年配の方には理解しにくい事なのではないでしょうか。
年配の方にとっては、お墓を先祖代々これからさきも、引き継いで守っていくことが当たり前だったのだから当然でしょう。
ライフスタイルの変わった世代と、年配の方たちとのこの考え方の違いは、親族の同意をもらえないトラブルの原因ともいえます。
トラブル1 お墓を勝手に墓じまいしてしまう
お墓のことに関しては、墓主が決める事ができるので、親族の同意をもらわずに、勝手に墓じまいしてしまう場合があります。
親族の中には、今までの場所にお墓がないという事を、納得しない人もいるはずです。
特に、先祖代々のお墓をお墓参りしてきた高齢の親族は、お墓を大事に思う気持ちが強いからでしょう。
勝手に墓じまいすることは、後で親族間の大きなトラブルになるので、絶対にしてはいけません。
お墓を守っていくことは、とても大変なことです。
お墓の管理は、お参りに行くだけではありません。
お墓の掃除、法要の手配、お寺とのやりとり、霊園の管理費の支払いなどやることは、たくさんあります。
高齢になれば、お墓に行くのも一苦労する場所の場合もあるでしょう。
お墓の管理は負担が大きいわ
墓主にかかる負担は、「お墓をこのまま残したい」という親族とトラブルになる原因の一つといえます。
トラブル2 墓じまいにかかる費用の負担が不公平
墓じまいには、もちろん費用がかかります。
墓じまいには、大体30万~300万円くらいかかるのが一般的です。
墓じまいするにもお金がかかるな
考えているよりも、墓じまいには費用がかかると思っていいでしょう。
この費用をだれが、どのように負担するかで、金銭的なトラブルになることもあります。
お金のことは、墓じまいに同意していた場合でも、トラブルになることがあるので注意しましょう。
トラブル3 親族の理解がもらえない
お墓を守ることは、墓主だけに負担がかかりますが、墓じまいをするとなると、お墓にかかわる人全体の問題になってきます。
墓じまいの説明をするために、今まで話したことのない親族とも話をすることになるでしょう。
親族の人数が多ければ多いほど、墓じまいに対して否定的な人もいるはずです。
墓じまいなんてとんでもない
お墓参りができなくなっちゃうなんて、ひどいわ
お墓を守るのは大変なのに、こんなこと言われたらいやですよね。
特に、お墓の事何もしない人ほど、言ってくるものです。
これは、墓主へ大きなストレスを与えることになるでしょう。
墓主は、心労が絶えなくて、体調を崩してしまうなど、精神的なダメージが大きくなってしまいます。
このような、親族との認識の違いや気持ちのすれ違いは、トラブルに発展してしまうのです。
これは、親族の同意をもらった後でも起こる可能性は、十分ありますよ。
親族だから、「先祖に対する気持ちは一緒のはず」と決めつけないほうがいいですね。
墓じまいで親族の同意をもめずにもらう対策は?根気よく説明しよう
先祖代々のお墓ですから、「親族みんなで、お墓のこれからを考えるいいチャンス」と考えるのは、どうでしょうか。
親族とお墓について、話し合う事は普段あまりない事だと思います。
親族間でトラブルになる原因は、十分な相談をしていないことがほとんどです。
墓じまいは、親族全体が関係してくるので、話し合いは必ずしましょう。
そして、親族の同意を、もめずにもらうには対策が必要です。
親族との話し合いで、対策のポイントを押さえれば、親族間のトラブルは少なくなるでしょう。
そして、ご先祖様のことをよく考える、いい機会になると思います。
対策1 相談することが大事
円満に話し合いを進める対策で、一番大事なのは親族へ「相談する」ことです。
親族の同意をもらうための対策として、話しをするときは、いきなり墓じまいしたいとは言わない方がいいです。
そして、墓主として墓じまいへの決意は固まっているからと、報告するだけにしてはいけません。
勝手に決めるなんて許せん
怒ってしまうと話合いにならないわ
急に、墓じまいがしたいと言われたら、親族の中には怒り出す人もいるかもしれません。
報告ではなく、まずは親族へ相談してみましょう。
まずは、墓主の負担が大変な現状を説明しましょう。
そして、代わりに墓主になってくれる人がいないか相談してください。
現状をどうにかしたい気持ちや、将来的な不安を相談することは、とても大切です。
相談することで、親族も墓主の大変さが分かります。
また、何かいい方法を提案してくれるかもしれません。
報告ではなく相談すれば、親族の気持ちを怒らせることなく話をする対策になります。
対策2 根気よく説得すること
墓じまいを相談したとしても、反対される事や嫌がる親族は必ずいる事でしょう。
そうなっても、決して独断で墓じまいを進めてはいけません。
誠意をもって、根気よく親族の人たちを説得することが大切です。
時間をかけて、根気よく丁寧に説得すれば、納得して親族の同意ももらえるはずです。
墓じまいをどうして考えているのか、明確な理由をしっかり伝えましょう。
お墓のご先祖様を、無縁墓にしないように、大切に供養していきたいという気持ちをしっかり伝えましょう。
きっと、分かってくれる親族の方もいるはずです。
根気よく丁寧に説得していくことは、親族が墓じまいに対する理解を深めるための対策になります。
対策3 お寺に相談してみるのもいいでしょう
相談してみても、根気よく説得しても、反対する親族の方がいる場合は、お寺に相談してみるという対策もあります。
親族へ相談する前に、お寺に墓じまいの相談をしてみるのもいいですね。
墓じまいについてお寺の協力は難しいと思うが…
墓じまいをしなければならない事情が分かれば、手を貸してもらえるのではないでしょうか。
お寺から新しい供養先を、紹介してもらえるかもしれません。
また、反対する親族へは、お寺の紹介した新しい供養先で、しっかり供養することを、お寺から説明してもらえることもあります。
ほかにも、お寺ならではの解決策を教えてくれる可能性があるかもしれません。
お寺からしっかり供養すると言われたら、反対している親族の同意も得られのではないでしょうか。
お寺に墓じまいの相談をするときは、必ずお世話になってきた感謝の気持ちを伝えましょう。
そのうえで、墓じまいについて相談するという事が大切です。
お寺に相談することで、墓じまいを親族が受け入れやすくなります。
墓じまい後も親族の同意できる供養方法を考えよう!
墓じまいをしたいと説得する時に、ご先祖様の供養方法をどうするかも親族と話し合いましょう。
お墓のご先祖様がどうなるのか、親族としても気になると思います。
ご先祖様の供養方法に納得できなければ、せっかく親族の同意をもらっても、また反対されるかもしれません。
墓主が負担にならずに、親族の同意をもらえるような、ご先祖様の供養方法を探しましょう。
なかなか、話だけでは納得できない親族がいるならば、一緒に見学に行くのもいいでしょう。
きっと、親族の同意がもらえるのではないでしょうか。
お墓に永代供養を付きにする
永代供養は、墓地を管理する人が墓主に代わり、これから先、お墓や遺骨の管理、供養を行ってくれるサービスのことです。
永代供養はいろいろなお墓に付けることができるのだな
永代供養を付けたお墓は、墓主の後継者が必要ありません。
- 永代使用料(これから先ずっとお墓を使用する権利)
- お墓の年間管理料
- 墓石代(新しく墓を建てるなら)
これらの費用がかかるため、経済的な負担はしばらく続きます。
しかし、お墓は残りますので、親族が納得しやすいため、選ぶ人が多いですね。
合祀墓
墓じまいした後の永代供養方法として、一番選ばれているのが合祀墓です。
合祀墓は、大きなお墓の下で、複数の遺骨をまとめて埋葬する方法です。
血縁関係などは、関係なく埋葬されます。
埋葬後、長い年月をかけて土にかえるのが特徴です。
そのため、一度納骨されると、個別に取り出すことはできません。
遺骨を複数まとめるので、個別のお墓に比べると、費用を抑えることができます。
最近では、「合葬墓」「供養塔」などと言われ、埋葬されている故人の名前を石碑に刻むサービスもありますよ。
個別に法要ができるのかしら?
七回忌などの個別法要などもできるようになってきました。
そのため、合祀墓に埋葬されたとしても、十分な供養をすることができます。
共同墓
合祀墓と同じように、大きなお墓の下で、複数の遺骨をまとめて埋葬することができます。
埋葬の仕方や供養の仕方、かかる費用などは、合祀墓と同じと考えていいでしょう。
合祀墓との違いは、「墓友」と呼ばれるような、気のあうグループでお墓を作ることです。
お墓の種類も変わってきたな
お墓を守っていく後継者がいなくても、個別の墓標が残り、永代供養してもうことができます。
納骨堂
墓じまいした後も、個別スペースを確保して永代供養をしたいなら、納骨堂を選ぶ人が多いですね。
納骨堂は、室内に故人の遺骨を納めることができるお墓のことです。
納骨できる人数は、種類によって違いますが、大体1~4人くらいです。
納骨堂は、選ぶ種類やスペースの大きさによって価格が違います。
そして、契約した期間(5年・10年・15年)は年間使用料がかかります。
契約期間をどれくらいにするか迷うわね
契約期間は、更新することができますよ。
納骨堂を選ぶときは、最初に予算を決めて選ぶといいですね。
契約した期間を過ぎる、または契約の更新がない場合は、合祀墓などに合祀埋葬されます。
このように、将来的には、合同供養される仕組みになっているところが多いのが特徴です。
契約期間は、個別のスペースで安置できるので、お墓まいりもできます。
契約を更新することで、家族の墓として、引き継いでいくこともできるのはいいですね。
お掃除や草取りの、手間がかからないのも選ぶポイントになりますね。
樹木葬
樹木葬は、墓石の代わりに樹木をシンボルとする方法です。
桜やハナミズキなどの墓標となる木を、1本植えてその周りに埋葬するのが一般的です。
また、庭園のように、樹木だけではなく、草花も植えている、ガーデニング樹木葬も人気があります。
樹木葬は、基本的に跡継ぎが必要のない、永代供養になります。
一般的なお墓よりも、墓石ではないので、費用がかかりません。
環境が整ってきたため、樹木葬を選択する人は、年々増えていますよ。
植木の手入れが好きな私の父は、樹木葬に興味があるみたいです。
木の下にどうやって埋葬するのか?
埋葬する時に、骨壺のから遺骨を取り出し、パウダー状に砕いて、専用の容器や木綿等でできた骨袋などに移し替えることがあります。
樹木葬は、埋葬後の年間管理用が必要ありません。
永代供養としては、管理の心配がいらない為、墓主の負担が少ないのが特徴です。
ですが、樹木は自然のものです。
年月とともに、成長する楽しみはありますが、気候の影響で葉や花が枯れてしまったりすることも考えられます。
思っているようにはいかないものね
10年後・20年後は、イメージとは違う状態かもしれないことも考えておきましょう。
両家墓
両家墓は、2つの家のお墓を1つにまとめたお墓です。
お嫁さんの実家のお墓で、お墓を守っていく人がいないなどの場合に、両家墓を選ぶ人もいます。
夫の家のお墓と、お嫁さんの実家のお墓を一緒にしていくことで、一か所でお墓を管理することができます。
少子化の現代では、この選択肢も徐々に増えてきています。
2つの家の墓を一つにまとめるのですから、両家の家名を墓石に刻印できるか、納骨する遺骨の数まで決めておきましょう。
また、家によってお寺の宗派も違うので、お寺によっては両家墓にすることを、断られることもあります。
2つの家のお墓を一緒にするのは難しいときもあるのだな
墓石に家名を入れない場合は、お墓に納骨される人が親族のみと限定されることはありません。
親族と一緒に見学に行ってみる
いくら話聞いても、パンフレットを見ても、実感のわかない人も多いでしょう。
お墓が替わってしまうなんて悲しい
墓じまいに反対している親族なら、なおさらでしょう。
そんな、親族とは実際に永代供養しているお墓を見に行くことをおすすめします。
実際にお墓を見てみれば、その雰囲気や供養の仕方が分かりますからね。
お参りができなくなるかもと、心配している親族の人なら、お参りの仕方も確認できるでしょう。
「百聞は一見にしかず」というように、見に行くことで、親族の心配事を失くすことができるかもしれません。
心配事がなくなれば、反対している親族も同意しやすくなりますね。
まとめ
- 墓じまいに親族の同意は必要
- 墓じまいはお墓のお引越し
- 墓じまいは先祖を無縁墓せずに供養していくために必要
- 墓じまいは連絡先の分かる人、お墓まいりをしてくれている人に伝える
- 相談不足による勝手な行動や、墓じまい費用の分担、親族の同意がもらえないことでトラブルが起きる
- トラブル防止対策は、まず相談して、根気よく説明する
- 親族の同意がもらえない時はお寺に相談してみる
- 墓じまい後の供養方法も親族と相談して、必ず親族の同意をもらう
- 供養方法が決まらない時は一緒に見学に行くこともできる
墓じまいにも、いろいろな種類がありますね。
「墓じまい」と聞くと、お墓が無くなってしまう、さみしい事だと思っていました。
でも、お墓のお引越しと考えると前向きな感じに考えることができますね。
私の家のお墓は、山の中にあるので、お墓の並びが段々畑のようになっています。
お墓まいりの度に、坂道で転ばないか緊張して歩くような所です。
高齢の親族たちが、「お墓まいりがつらくなってきた」と言うのを聞いたこともあります。
そんな声を聞くと、墓じまいを考えてみるのも悪くないなと思いました。
落ち着いて、時間をかけて説明すれば、墓主のご先祖様を大切に思う気持ちは、きっと親族の方たちにも届くことでしょう。
お墓を守っていく人が、無理なく管理できて、親族も納得する墓じまいの方法が見つかるといいですね。
きっと、あなたにとってベストな墓じまいが見つかるはずです。
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